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教養本のベストセラー!「FACTFULNESS」の要約②!

 

FACTFULNESSについて

 

 

前回の記事から「FACTFULNESS」について紹介しています。

 

この本は世界のファクトフルネスという「データや事実に基づき世界を読み解く習慣を身に付ける」ために役立つ本です。

 

実は私たちの世界に対する知識は学校で習ったときのままでアップデートされていないことが多いです。

 

現実の世界は日に日によくなっていますが、それを私たちはあまり知りません。

 

「FACTFULNESS」では世界を正しく見るためのデータをふんだんに使用して現在の世界の状況について解説してくれています。

 

この本は以下の構成になっています。

 

  1. この本の構成
    1. 分断本能
      「世界は分断されている」という思い込み
    2. ネガティブ本能
      「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
    3. 直線本能
      「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
    4. 恐怖本能
      危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
    5. 過大視本能
      「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
    6. パターン化本能
      「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
    7. 宿命本能
      「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
    8. 単純化本能
      「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
    9. 犯人捜し本能
      「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
    10. 焦り本能
      「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
    11. ファクトフルネスを実践しよう

 

前回の記事では第1章から第3章まで要約しました。

 

前回の記事はこちら↓

potatoto.hatenadiary.com

 

今回の記事では第4章から第6章まで要約していきたいと思います。

 

第4章:恐怖本能

第4章では恐怖本能について解説されています。

 

恐怖本能とは「危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み」のことです。

 

恐怖心というのは人間が進化の過程で培ったものです。

 

けがをしたり、捕まったり、毒に侵されるのをなんとかして避けることで私たちの祖先は生き延びてきました。

 

現在も貧困レベルで1と2にいる人にとって、「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れるのは理にかなっています。

 

もし蛇に噛まれてしまっても近くに病院はなく、あったとしても治療代が払えない人が多いからです。

 

しかし、レベル3と4にいる人たちにとってはこうした自然の過酷さに悩まされることはありません。

 

むしろこの恐怖心が良くない影響を与えているのです。

 

例えば誘拐事件や飛行機事故などは「身体的な危害」と「拘束」という恐怖心を呼び起こし、センセーショナルな印象を与えます。

 

メディアも上記の恐怖心を煽ることで、ニュースをより刺激的にしています。

 

確かに誘拐事件や地震の情報などを目にする機会は多くなっているような気がしますよね。

 

そして「世界は危険だ」と感じることが多いかもしれません。

 

しかし、実際の世界はどうでしょうか。

 

実は現在の世界は非常に平和です。

 

例えば、現在は自然災害で亡くなる人が大幅に減少しています。

 

出典:https://www.gapminder.org/topics/natural-disasters/

 

上のデータを見るとわかるように、1930年代に比べて現在は40倍以上も自然災害で亡くなることがありません。

 

人類は長い時間をかけて自然から身を守る方法を得たと言っても過言ではないと思います。

 

そしてこれからさらに自然災害で亡くなる人は減少していくでしょう。

 

人類史上最も速く災害の状況が世界に伝わり、災害対策の技術革新も進むはずだからです。

 

そして私たちが意識しないといけないことは、メディアは偏った報道をしがちだということです。

 

以下のようなニュースを聞いたことがある人はいないと思います。

 

シドニーからのBA0016便は、無事シンガポールのチャンギ空港に着陸しました。

今日のニュースは以上です。

 

このような平和なニュースはメディアは取り上げません。

 

全体の数パーセント未満のニュースだけを取り上げるので、私たちは「世界は危険」と思い込みがちなのです。

 

ちなみに飛行機事故は70年前と比べて2100倍も安全になっているのをニュースでは取り上げていません。

 

出典:https://www.gapminder.org/topics/plane-accidents/

 

ここからいえることは、私たちは自分の恐怖本能を「大昔に危険だったこと」ではなく、「現在とても危険なこと」を察知するために使う必要があるということです。

 

第5章:過大視本能

第5章では過大視本能について解説されています。

 

そして過大視本能は以下の2種類の勘違いを引き起こします。

 

2種類の勘違い
  • 数字を一つだけ見て「なんて大きいんだor小さいんだ」と勘違いしてしまうこと
  • ひとつの実例を重要視しすぎてしまうこと

 

まず、以下の事実を聞いてどう思いますか?

 

  • 2016年だけで、420万人の赤ちゃんが亡くなった

 

420万人の赤ちゃんを思い浮かべるだけで痛ましい気持ちになるかもしれません。

 

では2015年の数字は440万人、その前は450万人、1950年は1440万人だったと聞くとどうでしょうか?

 

420万人という数字が小さく見えてくるのではないでしょうか。

 

人類は以前よりも多くの命を救えるようになっていますが数字を比べなければ、それに気づくことができないのです。

 

ちなみに、1950年には9700万人の赤ちゃんが生まれ、1440万人が亡くなりました。(15%)

 

一方で2016年には1億4100万人の赤ちゃんが生まれ、420万人が亡くなりました。(3%)

 

この数字を見る限り、やはり人類は多くの命を救えるようになっていることがわかります。

 

以上のことから、私たちはただ一つの数字がとても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づく必要があります。

 

他の数字と比較したり、割り算をすることで同じ数字でも全く違う意味を見出すことができます。

 

第6章:パターン化本能

第6章ではパターン化本能について解説されています。

 

私たちはいつも、何も考えずに物事をパターン化し、それをすべてに当てはめてしまうという癖を持っています。

 

そして、同じグループの物や人はすべて似通っていると思い込んでしまいます。

 

突然ですが、以下の質問の答えはどれだと思いますか?

 

  • 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどれくらいいるでしょうか?
    A:20% B:50% C:80%

 

正解はCの80%です。

 

私はAかBだと思っていたので回答に衝撃を受けました。

 

頭の中にどうしてもアフリカの人という分類があって、そこに人類の大半を押し込んでしまっていました。

 

皆さんはどうでしょうか。

 

ニュースで見かけた極度の貧困を基にして、人類の大半をステレオタイプに押し込んでいないでしょうか。

 

実は世界の大半の人たちの生活レベルは着実に上がっています。

 

そのため私たちは間違った分類に気づき、より適切な分類に置き換えることが大切です。

 

特によくある勘違いとして挙げられるのは「国ごとに暮らしぶりは違う」というパターン化です。

 

実は人々の暮らしぶりに一番大きな影響を与える要因は収入です。

 

例えば、中国のレベル2の家庭の調理法と食料の保存方法は、ナイジェリアのレベル2とほとんど変わりません。

 

ナイジェリアのレベル2 出典:Dollar Street

 

中国のレベル2 出典:Dollar Street

 

他にもフィリピンでもコロンビアでもレベル2の人々は基本的な暮らしぶりに大きな違いはありません。

 

このように「アフリカの暮らしはこうだ」、「アジアの暮らしはこうだ」と分類するのではなく、所得で分類するのが正しいのです。

 

章末ではよく使ってしまう分類を、常に見直し続けるのに役立つ5つの方法が紹介されています。

 

その5つとは以下のものです。

 

  1. 5つの方法
    1. 同じ集団の中の違いと、違う集団のあいだの共通点を探すこと
    2. 「過半数」に気を付けること
    3. 例外に気づくこと
    4. 自分が「普通」だと決めつけないこと
    5. ひとつのグループの例を他のグループに当てはめていないかを振り返ること

 

各ポイントの詳細についてはぜひ本を読んでいただきたいと思います。

 

今回は第4章から第6章について要約しました。

 

次回は最終回として感想・レビューまで書いていきたいと思いますので読んでいただければ嬉しいです。